事例「父も母も要介護認定。それでも仕事と介護の両立は継続したい。」
こんにちわ!宮崎県延岡市で活動しているケアマネジャーの吉岡 邦雄です。
写真は宮崎県児湯郡都農町の都農神社です。
神武天皇が立ち寄ったとされています。
以前から一度行ってみたかったので夏休み中に参拝してきました
皆様は夏休み、お盆などをどのように過ごされました?
今回は帰省中に両親の介護問題に対応したご家族様の事例を紹介したいと思います。
父も母も要介護状態
Oさん(50代)は県外の車で約3時間離れた所で暮らしています。
兄弟はいなく実家で暮らしているAさん(父)とBさん(母)(いずれも80代)が心配でした。
2025年に入り、Bさん(母)が金銭管理ができなくなり「財布をなくした。」などの電話が頻繁にかかってくるようになりました。
また春頃にAさん(父)のほうも服薬ができていない事が判明しました。持病であある前立腺肥大症から両足の浮腫が大きくなっていました。
近所の方も会話などに不安を感じた事もあって「様子がおかしい」との事で地域包括支援センターが介入となりました。
また二人とも車の運転をしていました。
介護認定申請を行った結果、父も母も認知症の診断があり要介護1の認定。
私もケアマネジャーとして二人を担当する事になりました。GWで長男が帰省されている間にサービスを確定したいと考えていました。
自宅で暮らしたい
聞き取りを行うとAさん(父)Bさん(母)二人とも「自宅で暮らしたい。」でした。
Oさんとしては自分は仕事があり実家に中々戻れない。しかし可能な限り、父と母の希望を叶えてあげて欲しいとの事。
認知症は進行しており、「病院受診の理解度」や「金銭管理」には不安がありました。
車の運転に関してはOさんから説得してもらい免許を返納して頂きました。しかしAさんもBさんも不満がある様子でした。
病院受診の付き添いや買い物に関してはAさん、Bさん二人の兄弟が同じ市内に住んでいました。(Oさんからすると叔父と叔母)
私は主治医の意見を参考に二人ともデイサービス利用のケアプランを作成しました。
幸いにしてAさんもBさんもデイサービス利用はすんなり納得されました。
ケアマネジャーとしては在宅生活の継続も支援しながらも「Aさん、Bさん」に適した施設入所も頭の片隅に想定もしていました。
デイサービスを利用
二人はAさんの希望により別々のデイサービスを利用しました。理由は「夫婦仲は悪くないが人前で妻から小言を言われるのが耐えられない。」との事。
不思議がるBさんには「Aさんはより専門的な運動が必要です。」と話して通所リハビリ(リハビリに特化したデイサービス)の利用を納得してもらいました。
デイサービスが始まるとBさんはデイサービスの準備物が多すぎたり、曜日がわからずに何度もケアマネジャーやデイサービスの事業所に電話する毎日でした。
予想通りでした。しかし私はこの状態はBさんの中でデイサービスが習慣化していると好意的に受け取りました。また「デイサービスに行きたくない。」などの拒否がなかった事も安心できる事でした。
Aさんは「食事が美味しい」とリハビリに黙々と取り組んでいました。
支援者の高齢化
AさんもBさんもデイサービスを利用していたのですが、7月になると問題が起きました。今まで受診付き添いや買い物をしてくれたAさん、Bさんの兄弟が「病気で入院。」「熱中症で体調不良。」の状態になった事です。当然ですが支援者も高齢化していきます。
もちろん「受診付き添いのサービス」「訪問ヘルパーによる買い物支援」のサービスも可能です。AさんやBさんの甥や姪(Oさんからするといとこ)にお願いもできなくはありません。
状況を確認して電話でOさんに提案すると
「ありがとうございます。しかし自分としては父も母も安心して生活して、私も不安なく仕事を続けていくには今回を機に施設入所を考えたほうが良いかなと考えています。8月8日~18日まで休暇を取り帰省できます。その間に父と母に適した施設があるなら手続きをしたいと思います。」とOさん。
Oさんとしては両親の希望も叶えてあげたい。仕事を辞めて地元に戻り、両親と暮らす事も検討しました。実際、今の状態を考えると同居者がいればAさんもBさんも在宅生活は可能だと私も思いました。しかし地元での就職と初めての「仕事と介護の両立」を考えると将来への不安は拭えません。Oさんにも今までの仕事においてのキャリアを失いたくない気持ちがありました。
葛藤があった中での決断でした。
ビジネスケアラーに選択肢を用意できる
私はAさん、Bさんにあった施設を提案しました。幸いにして施設に空き部屋もありました。Oさんの説得によりAさん、Bさんも施設入所を納得して頂けました。
私に活動する地域では今後もこのようなケースが多々あると思います。「在宅生活の継続」のみを考えればこの結果はベストとは言えないと思います。
しかし、家族の仕事、生活を考えて検討すると我々支援者は「様々な選択肢を用意できる」が求められるのではないかと思いました。
今回は個人向け介護サービスの事例を通してビジネスケアラー問題を紹介してみました。
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